装飾金物・建築金物・特注金物などの設計・製作・施工で、40年以上の実績と技術の蓄積をもち、ホテルや商業施設、ショップなどの空間を彩ってきた「城地工業」が鉄やアルミニウム製品などの特徴を紹介します。
世界中の金属生産量の95%を占めるといわれる鉄は、ほかの金属に比べ比較的安価で、剛性はあるものの加工がしやすく、さまざまな製品に利用されています。また、炭素やケイ素やマンガン、クロムなどを加えることにより、その強さや硬さを、ある程度自由に変えられるという魅力もあります。
鉄採用のメリット
1. 剛性に富み加工も容易
建築材などにも利用される鉄は、剛性に富み、頑丈な性質をもっています。加熱することで、より容易に加工することが可能になり、さまざま形状の造作物を作ることができます。
2. 存在感・重量感がある
鉄のメリット・デメリット、両方に挙げられるのがその重さ。どっしりと重量感あることで、存在感やインパクトを与えることはできますが、その重さを考慮した設置空間の選定や設計が必要になります。
鉄に適した製品・環境
【製品】
手すり、オブジェ、インテリア小物など。
【環境】
風雨などを受けると錆びが発生するので、屋内での使用に向いています。
アルミニウムは、自然アルミニウムという形で単体での産出もありますが、一般的には、ボーキサイトなどの原料から作られる銀白色をした金属です。1円玉やアルミ缶、アルミサッシなどとして身近に使用され、軽量で耐食性や耐久性、加工性、電熱性に優れ、リサイクルもしやすいという地球環境にも優しい金属です。
アルミニウム採用のメリット
1. 軽量化できる
鉄や銅の比重が7.8や8.9なのに対し、アルミニウムの比重は2.7。この1/3程度の軽さがアルミニウムの魅力です。自動車や 鉄道、航空機などの輸送分野、高速回転部品などに多く用いられ、軽量化を図ることができます。
2. 耐久性・強度に優れている
純アルミニウムに、マグネシウムやマンガン、銅などを混ぜると比強度が大きくなり、高剛性の合金を作ることができます。
3. 錆びにくく長持ちする
アルミニウムは、自然に酸化皮膜を生成し、この皮膜が腐食を防止。耐食性をさらに高め、長期間にわたり使用することができます。
4. 美しく加工性にも優れている
アルミニウムは、加工も容易で、さまざまな形状に成形することが可能です。複雑な形状の製品製作などにも向いており、銀白色をした美観性も兼ね備えています。
アルミニウムに適した製品・環境
【製品】
壁や天井パネル、手すり、オブジェ、インテリア小物など。
【環境】
屋内はもちろんのこと、太陽光や風雨などを直接受ける屋外での使用にも適しています。
鉄の中のひとつともいえるスチールは、日本語で「鋼(はがね)」のこと。一般的には炭素が0.3~2%含まれた鉄合金で、鉄がもつ強度や耐熱性などを高めた金属です。非常に加工もしやすいため、オブジェや門扉、インテリアなどにも取り入れられています。
スチール採用のメリット
1. 比較的に安価に利用できる
ステンレスやアルミニウムと比較すると、比較的安価なので、利用しやすい素材といえます。
2. 加工がしやすい
ステンレスは、さまざまな形状に加工することも容易で、複雑な形状やデザイン性の高い形状の製品などにも向いています。
3. 耐久性があり頑丈
鉄やアルミニウムに比べ剛性が高く、耐久性に優れているので、長期間にわたり使用することができます。
スチールに適した製品・環境
【製品】
壁や天井パネル、手すり、オブジェ、インテリア小物など。
【環境】
風雨などを受けると錆びが発生するので、屋内での使用に向いています。
真鍮とは、銅と亜鉛の合金で、黄銅と呼ばれることもあり、亜鉛の含有率が20%以上のものを指します。一般的な真鍮は、亜鉛の含有率が35%のもので、金のような美しい輝きをもっています。加工がしやすく、さまざまな意匠として利用されるほか、使い込むほどにその風合いが増していく魅力をもっています。
真鍮採用のメリット
1. 微妙な色合いを表現できる
亜鉛の含有率により、金色をベースにしたさまざまな色合いを表現できます。亜鉛含有率が低いほど赤みが強くなり、高いほど黄色に近くなります。
2. 使い込むほどに風合いが増す
真鍮の大きな魅力のひとつが、時間の経過とともに増していく風合い。ただ表面加工していない真鍮は、定期的に磨かないとその美しさが増していかないので、しっかりメンテナンスをすることが大切です。
3. 加工性に優れている
真鍮は、加工性にも優れている金属です。デザイン性に富んだ形状などを作ることもできるので、ビジュアル的要素を含めた製品などにも向いています。
真鍮に適した製品・環境
【製品】
手すり、オブジェ、インテリア小物など。
【環境】
風雨に長い間さらされると、光沢や色の変化が起こることもあるので、屋内での使用が一般的です。